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 | ダイニカイ・ロボダッチプラモコンペ

Studio PEGUILA

ロボダッチ海賊船様より画像を無断拝借しました。ごめんなさい。

F-1 '75
使用キット:ロボダッチ4点コレクションシリーズ No.13 ガスケツセット
F-1 75 箱絵 完成 その2


カーダッチです。ロボダッチほどメジャーではないので、知らない人も多いかもしれません。展開もなんだか中途半端に終わってしまったみたいだし。それでも知ってる人にとっては懐かしいアイテムじゃないですかね。本当の事言うと、オレ、ロボダッチよりもカーダッチに燃えてました。

とはいえ、始まりはやっぱりロボダッチ。歩いて30秒のロケーションにあった文房具屋さんで売ってたおかげでたくさん作りましたよ。どれも味のあるデザインだったし集める楽しさもあって面白かったですからね。そういう個人的なロボダッチムーブメントが一段落して、「そろそろロボダッチも卒業しなきゃな」って思ってた頃、カーダッチと出会ってしまったんですね。衝撃的な出会いでした。カーダッチを見た瞬間、

「これはカッコいい!」

と、瞬間湯沸かし器のようにハートが燃え上がるのを感じました。ロボダッチもカーダッチも似たようなものなのに、なぜカーダッチはそんなにオレの心を捕らえたのでしょうか?思うにロボダッチって、なんとなくフレンドリー系にふってるようなキャラですよね。みんな仲良し和気あいあいってゆーか。ロボダッチ同士も仲良さそうだし。ところがカーダッチはそうじゃない。いや、みんなで楽しくってトコロは確かにあるんですが。やっぱり車が集まれば誰が速いの?みたいな。車だけに「レース」とは切っても切れない関係が見え隠れするわけですよ。そうなるとお互い仲間というよりはライバル。言えば敵同士。ピカピカのボディを持つホットな野郎共の間に漂う張りつめた緊張感みたいなものが漂ってて。

そういう真剣でちょっぴり危険な空気が渦巻く「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」というカーダッチワールドに、少年時代のオレは心酔してしまったのかもしれません。そしてそんなカーダッチのカッコよさに気付いたあの日あの時、少年時代のオレはオトナへの階段を一段登ったのでしょう。たとえそれが微妙に間違った道に通じる階段だったとしても。カーダッチとの出会いは、少年時代のオレにとってそれほどセンセーショナルな・・・ってほどでもないけど、まぁひとつの転換点ではありました。

それからというもの、オレはカーダッチに相当入れ込みました。小さなチラシに沢山カーダッチのイラストが載ってまして、「これからこんなに沢山のカーダッチが出るのか。すげぇ。絶対全部集めちゃる!」と全車種コンプリートを心に誓っておりました。結局、全車種どころか半分も出なかったんですがね。それでも近所の文房具屋で見つけるたびに買ってましたよ。なんつっても箱絵がカッコいい。そしてプラモもカッコよかった。少なくとも当時はそう思った。折しも世間は空前のスーパーカーブーム。当時の少年ならみんな車とか普通に好きだったでしょ。しかもカーダッチは普通の車じゃないし。セダンとかクーペとかもうそういうレベルを越えてる。どいつもこいつも特殊なデフォルメで超変なカタチ。ハァ?ナニコレ?って感じ。さらに目や口までついてる。超ヤバイ。だって普通の車には目とかついてないし・・・中略・・・とにかく貴様ら、カーダッチのヤバさをもっと知るべきだと思います。そんなヤバイ、カーダッチを商品化したイマイとか超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ・・・な感じと言えばわかっていただけるかと。

それはともかく、少年時代にこのヒップ&クール且つファンキー&ファニーなカーダッチテイストの毒気にあてられたオレは、変テコな造型のモノを見るとつい「カッコいい!」と口走ってしまい、周囲の人から失笑をオトナ買いしてしまう悲しい人間に育っちまったよ、イマイさん・・・って潰れちゃってるし(泣)

夢を広げたカーダッチのチラシ お気に入りだったトーマス
チラシ トーマス

まぁそんなこんなでガシガシ作りました。筆塗りだったけど塗装もしました。確かあれはレベルカラーだったかの8色セット。なんかテキトーに塗ってましたね。箱絵とか・・・わりと無視で。だって色が限られてますから。作るたびに空の菓子箱にきちんと並べて持ち運んでました。仕切とかなかったんでフタ開けたらぐちゃぐちゃでしたが。

どれもこれも個性的なマシンでカッコよかったけど、中でもトーマスとモーガンがお気に入りでした。ダンボール箱で作ったスロープを転がしてどれが一番早いか競ったり、部屋中に本をならべてコースを作りサーキットの狼気分でレースですよ。見た目はチキチキマシン猛レースでしたが・・・。やがて少しずつその熱もさめて、興味の対象がプラモから離れていくとカーダッチをさわる事も少なくなり、いつのまにか菓子箱と共に思い出の彼方へ消えていきました。

30年近い年月を越えてそのカーダッチを再び作る日が来るとはね。感慨深いものがありますな。イマイ科学が廃業してしまった今。どのメーカーもロボダッチすら再販しそうにないこの状況では、カーダッチの再販などとてもじゃないけどあり得ない。金型だってどうなってしまった事やら・・・。となればこれがカーダッチを作る最後の機会ですよ。なので気合いを入れて作りますよ。あの頃の最終目標だった「全車種コンプリート」目指してガンバるだっち!!(えっ?イヤマテそれは無理)

・・・で。今回はdatさんのコンペにかこつけてF-1 75を作るワケですが、その前に確認事項をいくつか。

カーダッチのイラストを眺めてますとテカリを表現したものが多い事に気付きます。ファンタムキャラバンなんてツギハギのある幌の部分(おそらくキャンバス地だと思うんだけど)までテカッてますし、モーガンに至っては「いくらなんでもこれはやりすぎだろっ!」ってほどボディがピカピカであります。あれはテカリの表現とは違うんじゃねーの?って人もいるかもれませんが、聞こえません。テカッてます。

幌までテカってるファンタムキャラバン ピカピカに輝いているモーガン
ファンタムキャラバン モーガン


ではなぜカーダッチはあんなにテカッてんでしょうか?勝手に考察してみますと、いくら目や口があっても、シグナルハンドが飛び出しててもカーダッチは所詮車であり、ロボットであります。生き物じゃない。そのカーダッチが産まれた1970年代後半。この時代の日本は、オイルショックから徐々に立ち直りつつ・・・・・・・・・みたいな。よくわかんねーけど、きっとこの時代は「車やロボットはピカピカに磨き上げられてるのがカッコイイのだ!」という時代だったんじゃなかろーかと。だからカーダッチはテカッてるんじゃなかろーかと。なんか、なげやり気味で申し訳ありませんが、そーゆー感じでここはひとつ穏便に。

そんなわけで、カーダッチは光沢仕上げで作る事にします。このサイズならツヤ消しのほうが「リアル」とか「素朴」あるいは「郷愁を感じる」などという情念に流される事もなく。他の人がどう作ろうと関係なく。オレのところに来たカーダッチはカーモデルのように研ぎ出しによってピカピカに磨いてやります。いや、カーダッチはカーモデルだから。問題ないっしょ。(タルボトルなんかのウッディなヒトについては別途考えるかもしれませんが)

さて、あまりにも長い前フリなので、こんなトコロはもう誰も読んでないかもしれませんが、そろそろ「F-1 75」の製作について語ります。キットを持ってない、あるいは知らないヒトには何のことやらさっぱりわからんかもしれませんが、雰囲気だけでも。

さっそく仮組してみたのですが、コレはコレでいーんじゃない?というレベルです。良くできてます。さすがは少年時代のオレのハートをガッチリ掴んだカーダッチです。そのまま色塗ってガーッと作れば、立派に独り立ちできそうな感じです。改造なんてしなくてもOKって人がいても全然不思議じゃありません。ボディやウィング類のエッジを薄く削りこめば十分シャープで見栄えのする造型になると思います。強いて言うならシグナルハンドが扁平形状なので嫌かな。まぁ、理想のシグナルハンドなんて人それぞれですからこのあたりは好みで。あと、ドライバーの手がコックピットに収まってないのが少し嫌かな。そんなトコでしょうかね。それ以外はまずまずの良キットだと思います。

F-1 75 仮組み 目標とするイラスト
F-1 75 仮組み F-1 75 箱絵

とはいえ、そのまま作ったのではやっぱりつまらないワケで。目標とするイラストと比較すると、それなりに違いも見えてきます。大きな違いは車幅でしょうか。イラストでは遠近法やらデフォルメやらで多少誇張されてると思われますが、それにしてもちょっと幅が狭すぎるような気がします。この幅を広げる事で全体のバランスが75年チックになる上、ドライバーの手をコックピット内に収める事が可能になるはず。そこで思い切って幅増しする事にしました。

ただ、そのためにはボディを真ん中から切断しなけりゃいけません。悩みどころでした。再び元に戻す事ができるかどうかという不安・・・2週間は悩みました。「再販の見込みのない絶版キット」ってのはもちろんですが、それ以上に「長い間、誰にも作られずに存在していたキットが持つ独特のオーラ」みたいなのが「オレを切り刻む度胸があんのか?ゴルァ」と言ってるような気がして。

失敗した時の為にレジンで複製し、コピーをベースにして作ろうかとも思いましたが、長い年月を経てようやく日の目を見る事になったコイツが、結局ジャンクパーツとなってまた箱の中なのか?それでいいのか?なんか違わねーか?うーん、でも失敗したらどーすんの?・・・てな感じの自問自答の末、

「キットを生かさずしてなんのカーダッチか!」

というよくわかんないけど気合いだけは入ってる結論にたどりつき、「必ず完成してやるからな・・・許せ!」と真っ二つに切断してしまいました。(ええ話やなぁ・・・)

「フッ、やっちまった・・・もう引き返せないぜ・・・」とか言いつつ、でも修復する作業は気が楽ですな。2ミリのプラ角棒を挟んで接着。1週間ほど乾燥時間を取って形状に合わせて削り出し。コックピット横の出っ張りもアルテコで裏打ちしてから削り取ります。

ところがサクサク調子に乗ってやってたせいか、この作業中にフロントウイングの片方が折れてしまいました。このフロントウイング、実はイラストと比べるとちょっと大きめ気味だったので、作り替えちゃおっかなーとか悩んでいたのですが、おかげで作り直す決心が固まりました。

さて、ボディの幅増によって当然シャーシがはまらなくなります。で、どの程度シャーシの幅を広げればいいのか確認するため接合ダボを切り飛ばして様子をみたところ、シャーシのトレッドには余裕があったようで、こっちは幅増ししなくても、そのまま使えると判明。おお、ラッキー!とか喜んだのも束の間。ここでもシャーシの後輪のサスペンション(?)パーツがポッキリ折れてしまいました。オーマイガッ!0.3ミリプラ板で補強しつつ無事に修正できましたが、なんか古いプラのせいで油が抜けたりしてるんでしょうか、ちょっとテンションかけるとパキパキ逝っちゃいますな。注意しないと。

F-1 75 塗装前 その1 F-1 75 塗装前 その2
F-1 75 塗装前その1 F-1 75 塗装前その2

で、フロントウィングの無くなったボディパーツを磨きながらイラストと比較してみると、なんとなくフロントノーズが長いような気がしたので、適当なところでノーズをカット。このへんかなりアバウトです。あとで泣く事も多いですが。性格なので。ノーズ切ったら当然のようにグリルが丸ごと無くなりますのでこれをプラ板で新造。ついでにメッシュ金網を中に仕込んでディテールアップ。折れたフロントウィングもイラストを参考にしつつプラ板で作成。前輪と干渉しないように注意して設置。こういう工作はホント楽しい。

問題の両手がコックピットからはみ出してたドライバー。幅増しで入るようになったかなと思って乗せてみると、これがギリギリ入らねーし。ヤレヤレ。仕方がないのでボディの腕の付け根を削りこんでやって、なんとかコックピットに収めてやりました。でも何か違和感が・・・うーん座高が高い!高すぎる!妙に腰高な感じで浮いちゃってるので思い切って胴体部分を切断して座高を低くしてみました。そうなると今度は後ろのエンジンパーツに付いているエアインテークっぽいフードが無駄に高くそびえ立ってる気がして、こいつも切断。それでバランス調整すると、ドライバーの顔もなんだか小さすぎるような気がしちゃって。結局これもプラパイプで作り直しました。ドライバーのヒト、オリジナルパーツは胸と腕しか残ってません。ボロボロですな。

エンジンパーツのボディへの嵌合についてはボディ幅が広くなっても問題なし。但し余裕ありすぎて左右どちらかに偏りそうだったので中央にはまるようにスペーサーをかましておきます。エキゾーストノズルはエンジンから直接出ていてイラストとも違うようだし違和感アリまくりだったので、アルミ棒でパイプを新造。エンジンの両サイド、カウルの下方から引っ張り出すような感じにしてみました。が、そうするとこれまでノズルがあった部分が真っ平らになり、エンジン・ミッションのリアビューが寂しくなってしまったので、ジャンクパーツから取ってきた適当なモールドを貼り付けてそれっぽくでっち上げてみました。

シグナルハンドはエポパテ削りだしで新造。ちょっと大きめな上、形状も微妙な感じですが、〆切もあることだし適当なところで妥協。これはそのうち作り直すかもね。原型作って大量に複製しとけば流用可能なパーツだし。設置はアルミ棒で。設置穴もボディの幅増によって掘り直しました。あとはシャープに見えるようにカウルやウィングのエッジを削りこんでから、全体のバランスを見つつ細かい修正をして工作完了。

F-1 75 塗装前 その3 F-1 75 塗装前 その4
F-1 75 塗装前その3 F-1 75 塗装前その4

ところで一番の問題がリベット。キットには極小の突起物がモールドされてはいるものの、これが意外にきれいに並んでない。削ってからステンレス球を埋め直すのもアリですが、このスケールだとかなり厳しい。はっきりいって研ぎ出しには邪魔なんだよなぁ。いろいろ考えましたが結局リベットは無しの方向で。リベットの無いカーダッチってのはどうかとも思うのですが、サイズと自分の工作技術、塗装技術を考えると、どうもうまくいきそうにない為ここは断念する事にしました。ごめんなさい。

あとは塗装。基本はベタ塗りなので特に悩む事もなく。リアウィングはイラストでは黒なんだけど、なんとなくボディ色に合わせてみました。

「3」と車の目、ドライバーの顔はデカールで。いずれもイラストレーターで原稿を作成。特に難しい形状でもないので楽勝。「3」のほうはアルプスプリンタで印刷。車の目とドライバーの顔は今回初めてスーパーカルの白地にインクジェットで印刷。これがまたオレのキャノンBJプリンタではどうもインクの定着が悪いみたいでいきなり失敗。2度目のチャレンジでは印刷直後にドライヤーの温風で強制乾燥。これでなんとか定着。最終的にはキレイにできました。このあたりは実際に自分の環境に合わせたノウハウを積み重ねるしかないですね。スーパーカルの白地は結構な隠蔽力で、目立って下地が透けるような事もないみたいです。複雑な形状じゃなくて外周に白い部分が無いデカール作成には結構使えるかも・・・高いけど。

ボディはクリアで2コート。1層目でデカールの段差を消して2層目で研ぎ出し。とはいえこのスケールではデカールの厚みを隠すのは難しいです。あんまりクリアを厚塗りをするのは嫌だったので多少の段差は見て見ぬフリで。ボディの目はもともとモールドで彫ってあるので多少の段差は問題ないっしょ。

以上でようやくF-1 75が完成です。ギミックはそのまま。プロポーションを改修。塗装はグロス仕上げです。

完成です どんなもんでしょ?
完成 その1 完成 その2
完成 その3 完成 その4

その他画像はこちら


・・・あー、あの頃のオレに見せてやりてーなぁ。

−完−
ダイニカイ・ロボダッチプラモコンペ
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